会食中の口元は、うちわで覆って――。兵庫県は新型コロナウイルスの感染対策として「うちわ会食」を呼びかけることを決め、まん延防止等重点措置の対象地域となった神戸、尼崎、西宮、芦屋の4市内の飲食店など1万6千店に、小型のうちわ計32万本を配る。県によると、会食中の飛沫(ひまつ)を防ぐ意識を県民に持ってもらうのが狙いという。
井戸敏三知事は9日の記者会見で「グループだと会話が弾む。扇子でもハンカチでも、なんらかの対策をしてもらえれば」と説明。報道陣から科学的な根拠を問われると「フェースシールドがOKならば、飛沫感染防止でうちわや扇子もOKなはず」と述べた。
ただ、専門家を交えた県の対策本部会議では「うちわなんかで会食するような段階ではない。会食自体を何とかして、感染者の数を減らしてほしい」という意見も寄せられたという。
大阪府は同じく会食中の飛沫対策として、飲食店での「マスク会食」を呼びかけている。神戸市の久元喜造市長は1日の会見で「マスクを外す時に触ることになり、ウイルスがマスクを介して口の中に入ってくる可能性もある」と懸念し、「科学的知見が定まっておらず、市民に求めるつもりはない」と述べていた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル